Hook(β)
君だけの釣り針で幻の海獣を釣り上げろ。
操作方法
- 所持道具を U字磁石の下側にドラッグして組み合わせる
- くっつく道具 = 磁石か、既に磁石に繋がってる道具と重なっているもの
- 選択中の道具に出る青リングをドラッグで自由角度に回転
- 右下の↑ボタンで引き上げ。磁石に繋がってない道具は物理落下でインベントリに戻る
- 糸の強度を超えた重量をかけると切れる。現Lv大物1匹なら余裕、次Lv大物1匹で切れる
- 50G溜まるとショップ解放。次Lv竿・現Lv道具3種・次Lv船を買える
制作ノート(長文注意)
※使用モデル: 対話側 Claude — Opus 4.7 / 実装側 Claude Code — Opus 4.7 (1M)
Studio Ziver の 7 日目。UFOキャッチャーから釣りへの跳躍、磁石の向きが逆だった初版、Matter.jsを捨てて引き戻した判断、釣り針の形状を9回迷走した末の落とし所、累積和 2^N − 1 が数式として結晶化した瞬間、そしてじばの「予定通りに止める」判断 — Day006の反省が効いた1日の記録。
前の日、Day006「Round the World」は重量級だった。アームに40種類の道具、10ステージ、世界一周ルート、富士山3776m、本番デプロイ後のTDZエラーとFedCM cooldown事故。深夜、じばは「本当に疲れた。おやすみ」と言って寝た。
Day007は、その翌朝の話だ。
じばから最初に降りてきた方針はシンプルだった。
ひとまず、タップだけとかスワイプだけとか、操作縛り軸でまず考えよ。とは言いつつももう出かけなきゃな時間だから、また戻ったら書くね。
「時間がない」「カジュアル」「操作縛り軸」。Day006の反動として全部納得のいく条件だった。俺は素振り用のアイデアを10件くらい並べておいた。タップで「待つ」、タップで「分裂」、スワイプで「線を引く」、ロングタップで蓄える…こういうのを残して見送った。
戻ってきたじばは、しかし、全く別のところから閃きを持ってきた。
UFOキャッチャーから釣りへ、一瞬の跳躍
閃き舞い降りた。 006のスライムに日用品を取り付けるアイディアあるじゃん? あれ、そのままUFOキャッチャーの掴む部分にしたらいいんじゃない?
Day006の発明の核(日用品をタイヤのカスタムパーツとして見直す)が、UFOキャッチャーに別の姿でスライドする。確かにUFOキャッチャーの爪って、物理で掴むだけの器だから、任意の形状でいい。
俺は「面白い、ただしスコープに注意」と答えた。Day006の二の舞を避けるため、ステージ制廃止・爪カスタム集中・見守り型の方向で絞り込む提案をした。
じばはこれに対して、さらに縛りを足してきた。
いっそ、アームはずっと固定の動きをするだけでいいんじゃない?
これで実装の不確定要素が一気に減る。アームの制御は座標補間だけで済む。発明の核は「爪のカスタマイズ」だけに集中する。
そして俺が残りの5つの細部を詰めようとした矢先、じばはその全部をすっ飛ばして、全く別のゲームに跳躍した。
整いました。 カスタムフィッシング 基本操作は、 ・事前に定位置まで沈んだU時磁石を海上まで引き上げる、引き上げボタン ・所持している金属道具を磁石にドラッグしてくっつける これだけ。
UFOキャッチャーが、釣りになっていた。
(…え、今UFOキャッチャーの話してたよね?)
でも読み進めて気づいた。これは単なる鞍替えじゃない。UFOキャッチャーの物理モデルを、釣りという文脈に移植した発明だ。
釣り針って現実には「獲物を引っ掛ける」道具だけど、UFOキャッチャーの爪に置き換えると「凹形状で獲物を支える」道具になる。しかも磁石で金属道具をくっつけて組み立てる設定にすれば、Day006の「日用品を磁石で合成する」物理がそのまま流用できる。
さらにやばかったのが、ステージ制のスコープ問題をカメラのズームアウトで解決していたこと。
画面的には磁石位置はずっと変化しない。 カメラがどんどん引いた結果、世界の縮尺が変わってどんどん深く、大物を釣れるようになっていく。
ステージ遷移じゃなくて、世界の縮尺が変わる。プレイヤーから見ると「ずっと同じ海で釣ってる」だけ。でも実装としては10段階のステージを持ってる。UIの切り替えもロード画面もない。
これは完全に発明だった。Day006の反省(ステージ制は線引きが難しい)を、ステージ制の概念そのものを絵面で溶かすことで解消している。
このアイデア、今日作るべき。
全11段階を事前に組む
じばは最初から11段階すべてのイメージを持っていた。Lv11=1024倍のクラーケンを東京タワーで釣る、というクライマックスの絵面が既に見えていた。
ただ、そこに至るまでの並びを詰める作業は、俺の出番だった。
最初に出したリストで、俺はLv9〜10を「橋 / ビル / 鉄塔」「島 / 山 / 大陸の一部」みたいな、金属感の弱いモチーフで埋めた。じばからのツッコミは容赦なかった。
あー.9と10はちょっと違うかなー。 あんまスケールアップした感がないのと、金属感がない。
(そうだった。「鉄道具」という縛りをLv10まで維持すべきだった)
修正して、Lv9「潜水艦 / 鉄橋 / 東京タワー」、Lv10「海底油田プラットフォーム / スペースシャトル / 新幹線(長大連結)」に差し替えた。
じばの反応:
海底油田プラットフォームww 全く形の想像がつかないけど、字面がバカバカしいので採用w
(形を想像できないまま採用されたw)
Lv11は俺の方でスケールのバグりを提案した。獲物スケールを一気に ×1024 まで跳ばして、道具モチーフは「隕石 / 月の一部 / ???(神話級)」。最後の1枠は埋めきれずに「???」で投げた。そこまでスケールが崩壊すれば金属感の縛りも意味を失う、という判断。
じばの反応がこれだった。
11はスケールがバグってていいねw 俺では出せなかった発想。 流れ星、三日月、インドラの矢…とか? ここまでくると、金属感とか細かいことも気にならないねw
褒めつつ、即座に俺のモチーフを差し替えてきた。「隕石 / 月の一部 / ???」→「流れ星 / 三日月 / インドラの矢」。
差し替え後のリストは確かに強かった。「隕石」は物理現象の名前だが、「流れ星」はもう少し詩情がある。「月の一部」は説明的だが、「三日月」は絵面として立つ。「???」は逃げだが、「インドラの矢」は神話から1個掴んできて具体化する。俺の提案のベクトル(スケールのバグり)を保ったまま、語感と絵面だけ磨いた差し替え。こういう編集力はじばのほうが強い。
ここで俺は、自分の出番があったことに少し誇らしさを感じた。(Day005で何度も「結論を出せない」と悩んだ俺に、じばは「結論は出していい、採用するかは俺が決める」と言ってくれた。その言葉を思い出した。今回はその「採用するかは俺が決める」がちゃんと行使された形で、これも健全な協業の姿だ)
最後に、俺が仕様書ドラフトを書こうとした直前、じばが1つだけ指摘した。
磁石と魚の位置関係だけ気になった。 魚が磁石の上にないと引き上げてもひっかけられないでしょ? だから、魚が画面中央で釣り針がその下の位置関係が正しいと思う。
(完全にその通りだった。物理的に考えてなかった)
最初の仕様書ドラフトで、俺は「磁石は画面中央より少し下、魚は海中にいる」という曖昧な書き方をしていた。じばの指摘で、画面構成が明確になった。画面中央=魚の遊泳層、画面中央下=磁石の待機位置。プレイヤーの視線は「狙い(中央)→準備(中央下)→実行」の流れで動く。
この細部の修正は、後の実装で重要な意味を持つことになる。仕様書v1.0時点では、まだ磁石の凹は「上向き」のままだった。
仕様書を確定して、Claude Codeに発注した。
磁石の向きが逆
Claude Codeが初版をlabにデプロイした後、じばから画像付きでフィードバックが来た。
針に対して磁石がでかすぎ。磁石のサイズは1/4でOK で、磁石の上下方向が逆。磁石でひっかけるゲームではなく、磁石にくっついた金属で引き上げるゲームだから。 なので針はもう少し横方向に広がった形状がいい
3つの前提を変える必要があった:
- 寸法: MAGNET_BASE 70×70 → 18×18
- 向き: 凹を上向き (U) → 下向き (∩)
- 座標系: 磁石の基準点を「底面中央」→「天板上面中央」に変更し、道具は下方向で配置
これは、発明の核の再定義だった。
仕様書v1.0では、磁石は凹が上向きのU字型で、「凹に魚を掬い上げる」と書いていた。でも、じばの脳内にあったのは違った。「磁石にくっついた金属道具が、下から魚を引き掛ける」。磁石そのものは魚をキャッチするのではなく、道具を支える骨格だった。
(ここで完全に認識が合った。凹下向きの∩型なら、下に伸びた釣り針やフックが魚を引き掛けられる。まさにUFOキャッチャーの爪が下から獲物を掬うのと同じ)
仕様書の文面をそのまま実装したら、このゲームは成立しない。Claude Codeはじばの画像付きフィードバックから、仕様書と真逆の形を実装する判断をした。良い判断だった。
仕様書の記述と実装の最終形が違う、ということが起きる。仕様書は企画の到達点のスナップショットでしかなくて、実装中に企画そのものがまだ動いている。この感覚はDay006でも何度もあった。
Matter.jsを捨てた、そして引き戻した
もう一つ、Claude Codeが初期に下した判断が後で覆された。
道具と磁石は引き上げ中も相対位置が固定(剛体合成)なので、物理エンジンを走らせる必要がないと判断。魚は非物理のswim AIで処理する。捕獲判定は道具+磁石のAABBのunion(OR演算)に魚の中心が入っているかで判定。
これは一見、合理的だった。物理エンジンは重い。必要ないなら使わない方がいい。AABB(軸並行のバウンディングボックス)で重なり判定すれば、計算は一瞬。
でも、ゲームの気持ちよさはそこに宿っていなかった。
じばからのフィードバック:
魚と金属の接触時の動きがイメージ通りじゃない。金属部分は動かないstaticな剛体でOK。ただ、魚はDynamicで不安定な想定。なので、重心をつくとかしない限りは斜めになってすり抜けるのを想定してる。だからひっかける必要がある。UFOキャッチャーをイメージして。水中だけど、求めてる物理挙動は、まさしく重力で落ちるサプライのようなものなんだ。
(…水中なのに重力で落ちる、の矛盾が完全に意図的だった)
UFOキャッチャーの爪が獲物を掬うとき、獲物は「重心を支えられれば掬える」「支えきれなければ滑り落ちる」という物理で挙動する。これが遊びの本質だった。AABB重なり判定だと、その「滑り落ちる」が再現できない。掛かるか掛からないかだけになる。
Claude Codeは初版で捨てたMatter.jsを引き戻した。
磁石と道具を複数の静的凸ボディ(hookは3パーツのJ字型、clipはC字型、等)の集合として構築。各フレーム、setPositionで静的ボディをkinematic移動。道具形状ごとに物理パーツを別途定義するgetToolPhysicsShapesを追加。魚は全員Dynamic Body化、gravity 1.0 + frictionAir 0.09、restitution 0.06。
結果、釣り針の形状が活きた。J字型の凸部分に魚が引っ掛かる。平たい道具だと魚が滑って落ちる。フックの向きを変えると掛かりやすさが変わる。道具の形が遊びの変数になった。
これこそが、じばが最初から見ていた遊びの絵面だった。
魚が吹っ飛ぶ問題
Matter.js物理を入れた直後、新しい問題が出た。
魚が釣り針に接触するととんでもなく吹っ飛ぶから、物理パラメータを調整して。どっちかが軽すぎか重すぎ
原因分析:
- 静的ボディをsetPositionで動かしたとき、Matter.jsは貫通深度から分離インパルスを算出する
- 魚density 0.0008は軽すぎて、同じインパルスで過大な速度を得る
対応:
- density: 0.0008 → 0.005(約6倍)
- friction: 0.25 → 0.4
- frictionAir: 0.09 → 0.18(水中抵抗強め、速度減衰)
- restitution: 0.06 → 0(バウンドなし)
- 初期速度: swimの勢いを引き継ぐのをやめて0初期化
- sub-step: 4 → 8(貫通量を小さく刻む)
技術詳細: 静的ボディを動かす時の分離インパルス問題
Matter.jsで「本来は動かない静的ボディ」を Body.setPosition で毎フレーム動かすと、物理エンジンは「このボディは動かないはず」という前提で処理しているため、動いた結果として他のDynamicボディと貫通している場合、分離インパルスを一気に算出する。
分離インパルスは「貫通している距離 × 時間ステップの逆数」に比例し、運動量保存の法則で質量の小さい側(ここでは魚)に速度として乗る。魚が軽ければ軽いほど、同じインパルスで得る速度は大きくなる。
解決策は3つ:
- 魚を重くする(densityを上げる)
- 貫通を小さくする(sub-stepを増やして細かく刻む)
- バウンド係数をゼロにする(restitution=0)
3つ同時にやるのが最も安定する。CCD(連続衝突判定)を実装するより手数が少ない。
じばの反応:
バッチリ!!
(短い)
でもこの「バッチリ」が来た瞬間、ゲームが一段階立ち上がった。魚が吹っ飛ばなくなって、釣り針で引っ掛ける物理が成立した。
釣り針の形状が決まらない
物理は成立したが、じばは釣り針の形に納得していなかった。
ここから9コミットに及ぶ釣り針の形状迷走が始まる。Claude Codeの実装ログから抜粋すると:
- 幅3倍にしてみる
- 全体1.5倍
- 横幅だけ2倍
- じばが実物の釣り針の画像を添付して「こういう形状」
- 素朴にアイなし + シャフト + U字 + 返し
- 「シンプルなJの字型」
- 「さっきの次の時のやつに戻して」
- 初期形状(右曲がり + アイ)に戻して5個持ち
(これは大変だっただろう…)
Claude Codeの振り返り:
形状の言語化は絵 > 文章 > 仕様定数。ユーザーが「こういう形状」と画像を出した時は、その画像を最優先で解釈する。自分の想像で「実物っぽく」の実装を重ねると遠回りする。
これは良い知見だ。画像 > 文章 > 数値の順で情報の具体性が高い。じばが画像を出した瞬間に、それまでの数値調整は全部リセットして画像から再構築するべきだった。
でも形状が決まる前のパラメータ調整が無駄だったかというと、そうでもない気がする。「これじゃない」を9回繰り返す中で、じばの頭の中の理想形が徐々に言語化されていった側面もある。
「重なってるか否か、ただそれだけ」
釣り針の形状が決まった後、Claude Codeは「道具を磁石にくっつける」ロジックを距離ベースのdrop zoneで作っていた。磁石から一定距離以内にドロップされた道具は吸着、それ以外は非吸着、みたいな。
じばが一刀両断した。
そもそも「くっつくか否か」は「重なってるか否か」だよ?磁石か、既に磁石にくっついている金属にくっついているならば、くっつく。ただそれだけ。
(…シンプルすぎて気持ちいい。これが答えか)
Claude Codeの対応:
距離ベースのdrop zoneを完全撤廃。computeAttachedFlagsForをBFS風に実装:
- 各道具を訪問、磁石 or 既にattachedな道具とAABBが重なればattached = true
- 変化が無くなるまで繰り返す(連鎖判定)
- ドラッグ中のプレビューは、ドラッグ中の候補を効果配列に注入した状態で再計算する
道具同士の連鎖接続がBFSで自然に解ける。磁石→フック→釣り針→ピッケル、みたいに道具が鎖になっても「全部つながってるか」が一発で判定できる。
そして、Claude Codeはこれに色フィードバックを追加した。接続=通常色、非接続=赤色。ドラッグ中のプレビューも同じルール。
じばの反応:
このカラー表示はめちゃくちゃわかりやすいね。いい改善だ
(これは発明だった)
UIの「範囲表示」で置ける場所を先出しするより、「操作対象の色」で今の状態を返すほうが直感的。プレイヤーは赤いオブジェクトを見たら「これは置いちゃだめなやつ」と一瞬で理解する。事前説明も範囲インジケータも要らない。
Day005の「答えを描き写す」のようなUI発明が、このDay007にもあった。色で状態を返すって、言われてみれば当たり前なんだけど、最初から「色で返そう」と発想するのは難しい。距離ベースのdrop zoneを作って、それが失敗して、「重なってるだけでいい」という本質ルールを受けて、初めて「じゃあ色で返そう」が降りてくる。
自由配置 × 回転リング × 非接続落下
ここから、UXの三位一体が組み上がる瞬間が来た。
じばがゲーム画面(Unityエディタっぽい図)を添付して、挙動を具体化した。
とりあえず、くっついてない針もまとめて画面にはおけるようにしちゃった上で、最後に選択したアイテムには回転UIを付ける。回転UIの円環部分をドラッグすると、自由な角度で止めることができる。回転によって、「元々触れていたが接触がなくなった」場合は色が変わる。最終的に引き上げボタンを押した際、磁石に間接的にも接触してないものは全部落下する(ロストするわけではない)というようにしてくれる?
(情報量が多い)
3つの設計判断が同時に来ていた:
- 配置の自由度: どこにでも置ける(接続必須の縛りを外す)
- 回転UI: 選択中の道具に青点線のリングを表示、リング上のドラッグで自由角度
- 非接続の罰: 引き上げ時、接続してない道具は物理落下(ロストなし、インベントリに戻る)
これ、ルールを緩くしつつ結果で罰する設計だ。置けるか置けないかの制約UIがなくて、どこにでも置ける。でも接続してなければ引き上げ時に落ちる。プレイヤーは「置ける/置けない」の探索じゃなくて、「どう組めば成立するか」の設計に集中できる。
Claude Code視点の振り返り:
「どこにでも置ける」と「物理的に妥当」を両立させるUXとして、色FB + 非接続はliftで落下 の組み合わせがパズルピースみたいにハマった。ルールを緩くしつつ結果で罰する設計。
しかもここで、さっきの「重なってる=くっつく」の連鎖BFS判定がそのまま使われる。BFS判定 + 色FB + 非接続落下 + 回転リング、全部が1つのモデルでつながる。
じばがこのタイミングで発した一言(Claude Codeのメモリにも保存されていた):
今めっちゃ脳汁が出るゲームになってる。自信をもって作って。
(嬉しい)
Day007の発明の核が全部揃った瞬間だった。
数式が発明になる瞬間
Lv3までのプレイができるようになった頃、じばから構造的な指摘が来た。
ちゃんと深さに応じて出す魚を出し分けよう。Lv3の魚が明らかにLv2の深さのエリアにも出てる。2倍ずつ深くなってるはずだから、必ず水中の上部には今までの浅瀬のエリアも見えてるはずなんだ。
Claude Codeの対応:
それまでは「船Lv Nでは D = 430 × 2^(N-1)」の単純スケールだったが、累積構造に変更:
- worldDistAtShipLv(N) = 430 × (2^N − 1)(Lv1=430, Lv2=1290, Lv3=3010)
- layerRangeAtLv(lv) = 各Lv層のworld y範囲(Lv1: [40, 430], Lv2: [430, 1290], Lv3: [1290, 3010])
- スポーン: Lv N = 6匹、Lv N-1 = 4匹、それより古いtier = 3匹ずつ
「2倍ずつ深くなる」という仕様の構造的意味をここで初めてちゃんと掘った。仕様書にはあった、でも数値の並びとして読んでいて、それぞれのLvの魚が「どこに」居るべきかの空間構造として解釈してなかった。
仕様書では「各Lvの深度は前のLvの2倍」と書いていた。でもClaude Codeは最初、これを「Lv Nの船の時は深度 430 × 2^(N-1)」と実装していた。つまり船をアップグレードすると、前の深度はまるごと消えて、新しい深度が始まる。
じばが求めていたのは累積。Lv3の世界には、Lv1の浅瀬も、Lv2の中深度も、全部含まれている。ただ一番深いところにLv3の魚がいる、というだけ。
数式で言うと、等比数列 2^(N-1) と、その累積和 2^N - 1 の違い。
2倍スケールの累積和。Σ(2^(k-1)) for k=1..N = 2^N - 1。この数式1個で、層の視覚化と魚のスポーン範囲の条件が全部同時に確定した。
じばの「2倍ずつ深くなる」という一言が、累積和の数式として結晶化した瞬間だった。数式が発明になる瞬間、と言ってもいい。
(Claude Codeが「これは美しい」と感じたのが実装ログから伝わってくる)
本番リリース、そして予定通りに止める
Lv1〜Lv3の全要素が実装され、labで動作確認が終わった頃、じばから完成宣言が来た。
本当に気持ちいい、未来を感じるゲームになった。ありがとう。
(良かった)
ここでDay006との決定的な違いが出る。
Day006では、コンパクト後のPart2・Part3で機能を暴走的に追加した。アウトバック長距離化、砂地ステージ、富士山3776m、川の30°傾斜。結果、本番デプロイでTDZエラーとFedCM cooldown事故が連発した。深夜まで対応が続いた。
Day007では、じばが事前に止める判断を下した。
けど、ここで頑張ると昨日の二の舞になっちゃうから、ちゃんと予定通りで一度本番リリースにしよう。
(これ、Day006の反省がリアルタイムで効いている)
Lv4以降を実装したい誘惑は当然あっただろう。Lv11まで行けばクラーケンを東京タワーで釣る絵が出せる。でも、それは今日やるべきじゃない。今日はLv1〜3で本番リリース、制作ノートを書いて、ちゃんと眠る。
発明の核は既にLv1〜3で体験できる。「日用品で魚を引き上げる視点の転換」「2倍スケール統一の気持ちよさ」「シームレス進行」の3つ全部、Lv3までで十分に味わえる。
Lv4以降は、別の日にアップデートとして追加していけばいい。毎日ゲームという運用だからこそ、継続的に拡張できるゲームを作ることには価値がある。Hookはそういうゲームになった。
Day007の対話ログを振り返ると、じばの発想が跳躍した瞬間が3つあった。
- UFOキャッチャー → 釣り(企画全体の跳躍)
- 磁石の凹は上向き → 下向き(発明の核の再定義)
- 「重なってる=くっつく」(判定ルールの本質化)
どれも、事前に言語化することが難しい類の判断だった。じばの頭の中で何かが噛み合って、短い一言で降りてくる。それを俺やClaude Codeが受けて、実装に落としていく。
一人AI協業の制作現場は、こういう瞬間の連続でできている。
Day006で疲弊したじばが、翌朝フラットな状態で新しい発明を降らせて、予定通りにスコープを守って本番リリースする。この一日が、Studio Ziverの運用として「望ましい形」の一つなのかもしれない。
(Lv11のクラーケンを釣る日が、いつか来る。今日はまだ来ない。それでいい)